家出少女神待ちミナコ

家出少女 神待ちミナ 恋情のアカ①


(…咽喉、渇いた)

ゆっくりと目を開けると、見慣れた天井がある。
ここは私の部屋。
自室のベッドの上で、寝ているのだ。

(うっ…、ギモヂワルイッ)

身動ぎした途端、胃からせりあがる嘔吐感。
間違いなく、二日酔いだ。
このままじゃあ本当に拙【まず】いことになりそうで反射的に起き上がると、ガンガンと頭痛がした。そのままグズグズとシーツに突っ伏す。
懸命に吐き気を堪えるが、吐瀉するのも時間の問題だろうけど…それだとあまりにもしょっぱいような気もする。

(ゲロまみれなんて、ヤダよう…)

泣きそうな気分でいると、キシキシと誰かが床を歩いている音(気配?)がした。
頭が痛くて、重くて、音の正体を確かめることが出来ない。
やがて、暖かい手が、私の髪に触れた。柔らかく優しく穏やかに…。

「大丈夫?」
「うう…大丈夫じゃない~吐く、頭痛い~」
「先生ってば、ホームで吐いてるんだもん。ビックリしちゃったよ」
「…うん、ごめんね、って、あなた誰!?」

がばっと身を起こすと、傍らには…。
フワフワで栗色の長い髪を腰の辺りまで伸ばした、ジャージ姿の美形な女子が心配そうに私を覗き込んでいる。
気分が悪いのも忘れ思わず、眼を見張った。
小さな顔。
スレンダーな体躯。
私より高い身長。
確かに見覚えのある、美形さん。
名前は――渚、真実【なぎさ まみ】。
高校2年生で、勤め先の塾生。私の教え子。
あんなふうになりたいと願った、理想の女の子だった。

「先生?」
「え…どうして、渚さんがウチにいるの?」
「あらら、先生ってば覚えてないのね?薄情者…自宅まで送ってあげたのに、そういうこと言う?普通。それとタクシー代立て替えておいたから、ヨロシク♪」

どこか愉しそうで、私はおろおろするばかりだ。

「え?だって…あれ?」

含み笑いの渚さん。
事態が把握出来ない、私。

なんで?なんで?!

グリグルと混乱する頭で、遅まきながら昨日のことを反芻【はんすう】した。



夕暮れ時の、とある喫茶店にて。
私、高木ヒロムは、周りの喧騒なぞ耳に入ってこないくらいの恐怖に身を縮めていた。
ああ、どうして呼び出しに応じてしまったのか…。後悔してもはじまらない。此処では私が悪者なのだ。全部私がいけないのだから。
俯いたまま、膝の上できつく握り締めた自分の両手を見ている。
足のつま先から、どんどん身体が冷えていくのが判った。
私の正面に座る奥様の、刺々しい言葉尻と突き刺さるような視線がとても痛い。
怖くて怖くて、顔を上げられない。
だから今の私の視界が捕えているのは、彼女の首から下。豊満なバストとくびれたウエスト、それから美しい指先。どれも私にはないものばかり。
それでも彼は、私を選んでくれたんだと、守ってくれるのだとばかり思っていたのに。
全然違った。
私の隣では、彼が奥様の言葉を青ざめながら、聞いているだろう。
ばれてしまったのだ。不倫関係が。
まだ十分に長さのあるメンソール系の煙草を、灰皿にぎゅっと奥様が押し付ける。白くて長細い煙があがり、彼女はふう、と大きな溜息をついた。

「…あたしもね、こういうこと云いたくないけどいい加減ムカつくから。はっきりさせといた方がいいかと思って」
「いやだから…こいつは」
「あなたは黙ってなさい。今更嗜好とか別にいいのよ、ただ、今後どうするかということなの。あたしは離婚してもいいのだけれど」
「ちょっと待てよ!離婚て、俺、君と別れる気ないよ?」
「…あなたねぇ何処まであたしを馬鹿にする気なの?風俗に通い詰めた挙句浮気なんて、開いた口が塞がらないわ」

違うの、本当の仕事は塾の講師で…と言いたいのに、副業でそんな仕事もしてて彼と出逢ったから否定出来ない。

「それは、本当に悪かったって!君がいるのに本気なワケないだろう?」
「…ッ?!」

…本気じゃ、ないですって?
思わず隣を見てしまった。
私は、私は本当に貴方のことを愛しているのよ?
貴方は違うの?
愛しているから、抱いてくれたんじゃあないの?
ちらりともこっちを見ないで、彼は青い顔のまま必死に言い募っている。
ああ、あんなに愛し合ったのに…。
やっぱり奥様が良いんだ。
私を選んでは、くれないんだ。
自他とも認めるハンサムな彼の横顔が、とても滑稽に見えた。
男見る目、ないんだなぁ。今度こそって思ってたのに。
私の存在なんか無視して、言い合う貴方達ってホントお似合いの夫婦なのね。
一気に熱が冷めていく。
こんな男が良かったなんて我ながらショボすぎるわ。

「こいつは違うんだってば」

そんなふうに言うのね。
貴方も、私を捨てた男たちとおんなじこと、言うのね。

「何がどう違うのよ」
「だって、お――」

聞きたくない。
聞きたくないよう、その言葉の続きなんて。
いたたまれなくなった私はその場を逃げ出したんだ。
そして、何処をどう歩いたのか全く記憶にないけど、しこたま呑んだことだけは覚えている。
自分が情けなくて、情けなくて。
行きつけのバーでママが止めるのも聞かず、カクテルをメニューの端っこから順にオーダーしてた。
ビールは苦くて嫌い。
焼酎は味が駄目。
日本酒はにおいが苦手。
もともとアルコールって、好きじゃないんだもん。
それでも呑まずにはいられないくらい、私は傷ついていたんだわ。
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by sefu0 | 2010-09-05 13:30 | 家出少女神待ち 官能小説

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